JIS配列撲滅委員会

まず初めに言っておきたいのは、

日本語配列というものはない。

ということです。

現在、日本語の入力方式には2通りの方式があります。「ローマ字カナ変換方式」と、「カナ入力方式」です。この2つは方式の違いと同時に、使用する人によって使われるキーボードの配列も異なってきます。

もともと日本語を入力するための配列としては「JIS配列」というものが、1964年に「一般事務・会計機械用のカナタイプライター」用として日本生産性本部というところが標準化を行いました。

この配列は純粋にカナ入力用として作成された配列になります。そこから後年に発売されていくパーソナルコンピューターにおいても、このJIS配列を基準にした配列を採用した物が発売されていきます。

もうひとつの日本語入力方式として「ローマ字カナ変換方式」があります。これは、「カナ→ローマ字」を行う「ヘボン式」、もしくは「訓令式」を逆に使い、ローマ字の組み合わせで、カナを入力する方式です。この方法だと、キーボード自体は現在コンピューターのスタンダートであるアメリカの「US配列」を一切変更することなく日本語を入力することが可能です。

しかし、2020年現在、日本で販売されているコンピューターのほとんどが「JIS配列」のキーボードを採用しています。

これもまた2020年現在ですが、日本でカナ入力を使用している人は、統計では10%くらいと言われています。さらに、学習指導要領では小学校3年からローマ字入力を学校で教える事になったため、今後もローマ字カナ入力の割合は減るどころか、さらに増えると思われます。

そんな、10人にひとりが使うカナ入力用のキーボード配列を、残りの9人の人も使うようになっているのが現在の日本の実態になります。

1964年当時であれば、日本語を入力する専用の機械などで使用するための物なので特に問題は起こらず、また万人が使うようなものではないのでJIS配列で良かったとは思います。しかし、現在はほとんどの人がコンピューターを使い、インターネットに接続し、SNSに文章を投稿したりしています。そのため上記に挙げた様に「10%の人のためのキーボード配列を全ての人が使っている」という状態になっています。

国独自のキーボード配列があるのは特に珍しいことではないのですが、日本語は「カナ→ローマ字」で完璧に文字を表現出来る言語です。日本独自の配列を用意しなくとも、アメリカのUS配列をそのまま使えるのです。

しかしなぜか、ローマ字以外の記号をUS配列と大きく変更し、日本語入力にしか使わない専用のキーをいくつも増やし、無駄にキーが多くなり見た目も窮屈になっています。

そこで、「US配列にカナを割り当て、US配列でカナ入力が出来る配列を作ろう!」と思いたちました。また、同じような取り組みをしている人も既に何人かいます。

そこで、作成したUSカナ入力配列案が以下になります。




これは、標準的な101キーボードに、カナ入力用のカナ表記を付けた物になります。JIS配列にある「かな」「英数」という専用キーは配置せず(そもそもUS配列にそんなキーはないので)、Macでは左Cmdキー、Windowsでは左Altキーを単独で押して離した場合は英数入力モードに、Macでは右Cmdキー、Windowsでは右Altキーを単独で押して離した場合はカナ入力モードに切り替わるような仕様を想定します。もともと、US配列では、Macのことえりでは「Ctrl+スペース」、Windowsでは「Alt+`」(バッククォート)で入力言語の切り替えが出来ます。「1キー(専用キー)で切り替えられないとイヤだ!」という人がいるのは分かりますが、それいう方はKarabinner-elementsや、AutoHotKeyで自分でなんとかしてください(笑)

基本的にUS配列はJIS配列に比べてキーがいくつか足りません(上記の「かな」「英数」を除く)。この「US配列でカナ入力」では、ほとんどの場合はこの足りないキーに割り当てられているカナをどこに配置するかの問題になります。

私が最初に考えた試案は「JIS配列の位置と出来る限り離れないように」という物でした。なので「ろ」が最初は「む」の右にありました。そして濁点がひとつ右にあり、半濁点は濁点とシフトキーコンビネーションで付けるという仕様になっていました。

しかし、それをTwitterで公開したところ、カナ入力使用者の方から「濁点・半濁点にシフトキーコンビネーションは使いたくない」という指摘を頂きました。なので「ろ」をUS配列のバッククォート(再左上)のキーに配置しました。その案にも「濁点と半濁点は『せ』のすぐ右に並んでいたほうがいい」という指摘を貰ったのですが、そうなると「む」が濁点と半濁点の右になり、カナがひとつだけ飛び石になってしまいます。現在カナ入力を使っている人にとっては位置関係がその方が分かるのは理解出来るのですが、今後新たにカナ入力を覚える人に取っては、カナがひとつだけ飛び石になっているのが気持ち悪いと思われます。なのでここはこのままにしておきたいと思います。

というわけで、この配列でカナ入力出来るGoogle日本語入力用のキーマッピングファイルを作って、実際に使っていってみようと思います。

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